見て聞いて食べて

上質な日本のクラフトのショップと陶芸・染織を中心とした工芸ギャラリーの店主が綴る“モノ=物”&“もの=者”へのエール集!




2007年08月06日(Mon)▲ページの先頭へ
トリフォニーホール・ジュニア・オーケストラが熱い!
8月5日夜、錦糸町でトリフォニーホールを活動拠点とするジュニア・オーケストラのリハーサルを聴いてきました。下の写真は、公式サイトから今年3月に大ホールで行われた第3回演奏会の写真を引用しています。



総練習は明日の本番と同じトリフォニー大ホール。トレーナーを務める新日本フィルの団員の方と、音楽監督の松尾葉子さん(仏ブザンソン国際指揮者コンクールで女性として初めて 日本人としては小澤征爾さんに次いで二人目の優勝者)がいらして、活気に満ちた練習が繰り広げられていました。
興味深かったことはゲネプロ前の仕上げのリハーサルということもあってか、指揮者の松尾さんが指揮台と客席を頻繁に往復して全ての音が思うとおりに届いているかをチェックしていたこと。とかく指揮者というと、カリスマ性とか精神性を意識しがちで観念的存在とも思いがちなんですが、結構プラグマティック(現実的とか事象主義というのでしょうか)なんですね。
PHOTO:梶本音楽事務所

曲目はガーシュインのラプソディー・イン・ブルーにグノーのファウストからバレエ音楽。そして圧巻だったのがラヴェルのボレロ。管楽器・打楽器が入ってフルオーケストラとなったこともありますが、音に厚みが増して、客席の最前列にいるとかなりの圧力を感じます。またアンコール用に準備された、ビゼーのアルルの女からのファランドールは音がピタッと揃って、その迫力は正に大人顔負け。
発足間もない頃と比べ奏者一人一人が自信をつけていることがよく分かりますし、音楽監督である松尾葉子さんの確信に満ちた指導も実を結んできたのでしょう。8月6日の第4回演奏会が多くの方に応援して頂き、盛況となることを願っています。


2007年01月27日(Sat)▲ページの先頭へ
アンチェルの新世界より
今回は筆者の息抜きに極めて趣味的・個人的なことを書かせて頂きます。

カレル・アンチェルの指揮、チェコフィルの演奏をスイス・イタリア語放送が1958年10月10日にライブ収録したCDを聴いた。
カレル・アンチェルはナチス・ドイツの時代、家族全員がアウシュビッツの強制収容所に送られて後、独りだけ生還。戦後はチェコフィルの常任指揮者となり、その音楽人生を全うするかと思いきや、アメリカ演奏旅行中に「プラハの春」事件が勃発。結局、亡命を余儀なくされ、カナダ・トロントで客死するという悲運に満ちた名指揮者であった。


コンサートの曲目はスメタナの「売られた花嫁」序曲に始まる。驚く程の精彩に満ちた生気みなぎる演奏である。次にドヴォルザークの「新世界より」と続き、ラヴェル編曲の「展覧会の絵」で締めくくるという国民楽派の音楽で統一されたプログラム。
特に「新世界より」はボヘミアの巨匠のラストシンフォニーであることと、チェコの指揮者にチェコのオーケストラ。正に十八番のお国ものであるだけに、お国訛りまるだしの無遠慮な演奏になるかと思いきや、以外に以外、淡白と思えるほどに端正で格調高い演奏であった。
「新世界より」は通俗名曲と言われるだけあって、筆者がクラシック音楽を聴き始めた中学生時代にいやというほど聴かされて食傷してしまったのと、山本直純氏が気球にのって指揮棒を振り、この曲が流れる“伊豆エメラルドタウン”のTVコマーシャルをあまりに目にし過ぎたせいで、聴く気が失せていた曲であった。
それでドヴォルザークの交響曲というと、むしろ8番を聴く機会が多く、それで十分満足していたのだが、今回のことで「新世界より」の魅力を再発見したという次第。

このCDはドイツのDocuments レーベルで出しているグレート・コンダクターズというボックスセットのなかの一枚。10枚組なので買いづらくはあるが、輸入CDショップで実勢価格2000円前後(なんと1枚200円)という超廉価盤。盤質も良いのでおすすめである。ネットでならHMV で購入可能。
ついでに筆者のドヴォルザークの8番の愛聴盤を挙げさせていただくと、これまた古いライブ録音で恐縮なのだが、トマス・ビーチャム卿がロイヤルフィルハーモニーを振って、1959年10月にロンドンのロイヤルフェスティバルホールで収録した演奏。私の大好きな第3楽章の旋律の歌いまわしが実にチャーミングで小粋である。

それではまた興味深いCDやDVDがあれば感想など徒然に書かせて頂きたいと思います。



2007年01月20日(Sat)▲ページの先頭へ
どでかい?クナッパーツブッシュのブラームス!
今回は筆者の息抜きに極めて趣味的・個人的なことを書かせて頂きます。

先日、秋葉原の石丸電気で購入したCDはハンス・クナッパーツブッシュの指揮するブラームスの交響曲第2番(以下ブラ2と略)とベートーベンの交響曲第8番をカップリングした一枚。
イタリアのラジオ局の放送録音を音源とした、今から半世紀も前の演奏である。
最近、ヨーロッパではメジャーレーベルの低迷に対して、中小レーベルの躍進が目覚しく、版権切れの古い録音が続々と発掘されている。

ハンス・クナッパーツブッシュ(1888-1965)は即興性を尊び、大の練習嫌いとしても知られる大指揮者。


さて肝心の聴後感だが、くわせものの超大物指揮者の大芝居といった趣きで、実に面白みのある解釈と表現だった。
決して楽譜に忠実ではないであろう『間』の取り方、金管の咆哮、ティンパニーの轟き等等、例えれば演歌の大御所が君が代を歌う様というか、決して正調ではなかろうと万人が知りながらも、なお万人を納得させずにはおかないような芸格がある。

この演奏は流麗という言葉の対極にあるような起伏に富んだ無骨なもので、好悪の分かれるところではあろうが、1955年のウィーン国立歌劇場復帰の際、リヒャルト・シュトラウスの「薔薇の騎士」のリハーサルで「昔の仲間がたくさんいるじゃないか、今夜は昔通りうまくやろう」と言って帰ってしまった有名なエピソードが物語る即興性に溢れている。

ブラ2の筆者の愛聴盤はオトマール・スウィトナー&ベルリン・シュターツカペレの演奏。
まだベルリンが東西に分かれていた頃のいかにも“東側”らしい素朴さと、小粒ながらも実のしっかり入った質実な美演で、ブラームスの音楽の美しさを実に素直に表現していて好ましい。
決して名曲名盤百選などにセレクトされる盤ではないが、折にふれて取り出す機会の多いCDである。
そして、もし機会があれば誰の指揮ということは問わずブラ2は多くの人に聴いてもらいたい名曲。
好みではブラームスのシンフォニーは3番が最も好きだが、2番も四つの楽章を通して実に素晴らしい。

それではまた興味深いCDやDVDがあれば感想など徒然に書かせて頂きたいと思います。




2006年09月18日(Mon)▲ページの先頭へ
らむねさん、新そば、そして土瓶蒸し。
敬老の日を〆にした三連休の直前、先週のことですが、(有)スタイルビズ 青山直美(ペンネーム:村山らむね)さんの講演に行ってまいりました。
村山らむねさんは、オンラインショップ・コンサルタントのカリスマ的存在。オンラインショッピングに関するコラム執筆や、EC関連のコンサルタントおよびコーチングを得意とされています。
お話しの内容は実に刺激的。Web2.0時代を本格的に迎えようとしている今、時代の潮流の速さに、正に翻弄されてしまいそうな怖れと、何かワクワクさせられるような新世代の気風とでもいったものを実感しました。

というわけで・・・頭がすごく疲れたので、渡辺和比古さんを誘ってお隣の『赤坂 観世水』さんへ。

 

お隣というと安直なようですが、『赤坂 観世水』さんは蕎麦屋の“激戦区”赤坂でも、味で一二を争うといった名店。8月の晦日にどこよりも早く入荷したという旬の味、北海道雨竜産の秋の新蕎麦(もちろん本物の手打ち蕎麦です)を堪能しました。
あくのない、きれいな味と香りのする蕎麦です。
もちろん、そばつゆ(濃いめです)も大変結構なお味。
食通の渡辺さんも「うまい!」を連発していました。


頂いたお酒は麦焼酎『天草』。
お料理も、揚げ蕎麦、銀杏に始まり、お造りの盛り合わせまで色々と頂きましたが、絶品だったのが土瓶蒸し。正に秋の味覚満載です。


それから、ここの美味しいのは出汁巻の玉子焼。上の画像、左下に写っているのがそれですが、大根おろしに醤油をつけて頂きます。
これはおすすめです。

居酒屋より一つ二つ上のものを、手頃なお値段で堪能出来て、渡辺さん共々、満足な一夜となりました。

実を言うと、子供の頃は蕎麦の美味しさが、まったく分からぬ大のうどん党でした。
それが何時の間にやら蕎麦って美味しいんだ、と思い始めて・・・これも年を重ねたお陰かな?

蕎麦好きの方、どうぞおすすめのお店情報などコメント下さい。


2006年05月07日(Sun)▲ページの先頭へ
ザルツブルグのヴィオレッタはビジュアル系だった!
カルメンや蝶々夫人と並ぶ超有名オペラ“椿姫”のハイライト版をNHK教育テレビ「芸術劇場」で見る。舞台は2005年夏のザルツブルグ音楽祭。その素晴らしい歌声と美貌で話題のアンナ・ネトレプコがヴィオレッタ役。ネトレプコのことは、折に触れ耳にしてはいたのですが、その姿を初めて目にし、その声を初めて耳にしました。
歌姫のなかにはあまりの肥満ゆえに、「これはないよ」と目を伏せたくなるようなヴィオレッタもいるなかで、アンナ・ネトレプコはその容姿が著しく目を引くという点で、正にクラシック界のビジュアル系。オケの強奏にも負けない強靭な声はパワフルで美しく、天与の才能とスター性をあわせ持ったソプラノと思いました。
 
画像はユニバーサル・ミュージック公式サイトより引用


ちょっと馴染めなかったのは舞台美術と演出。
舞台はデザイナーズマンションのモデルルームを思わせるようなシンプルな空間に、巨大な時計があって極めて象徴主義的。演技は動きや仕草がとてもリアルで衣装も特別なものではなく、日常的。
“椿姫”といえばフランコ・ゼッフィレッリ監督・テレサ・ストラータスとプラシド・ドミンゴのシネオペラが、時代考証がきちんとしていて、イメージに忠実なオペラらしいオペラだっただけに、演出家の「読み替え」には非常に当惑。これは「読み違い」ではないのかと納得出来ない思いが残りました。
 
画像は鰍s&Kテレフィルム公式サイトより引用



2006年05月04日(Thu)▲ページの先頭へ
トリフォニーホール・ジュニア弦楽オーケストラの練習を錦糸町にみる
4月29日夜、錦糸町でトリフォニーホールを活動拠点とするジュニア弦楽オーケストラの練習をみてきました。下の写真は、公式サイトから今年2月26日に大ホールで行われた第1回演奏会の写真を引用しました。


筆者は墨田区在住という御縁から、2005年10月の発足時より同オーケストラとはつながりがあります。
練習場にはトレーナーを務める新日本フィルの団員と方と、音楽監督の松尾葉子さん(仏ブザンソン国際指揮者コンクールで女性として初めて 日本人としては小澤征爾さんに次いで二人目の優勝者)がいらして、活気に満ちた練習が繰り広げられていました。練習曲目は今年、生誕百年を迎えたショスタコービッチのピアノコンチェルト。8月4日の第2回演奏会では、当該曲のほかにベンジャミン・ブリテンのシンプルシンフォニーとヴィヴァルディがとりあげられます。多くの方に是非応援して頂き、演奏会が盛況となることを願っています。


2006年05月03日(Wed)▲ページの先頭へ
『和で遊ぶ布の祭典』を赤坂プリンスホテルにみる

『和で遊ぶ布の祭典 vol.3 』と題されたゴールデンウイーク恒例のイベントが、赤坂プリンスホテルで開かれました。早速みて来ましたので、そのご報告です。
この催事に行くのは一昨年(vol.1)以来ですが、会場構成やコンセプト・規模に大きな変化はなく、落ち着いて見ることが出来ました。スペシャルブッフェ&スイーツが付くとあって会場は大盛況。おおむね中高年の女性の方々が多いといった様子ですが、小さなお子さん連れのファミリーも結構目にしました。地元としては、赤坂活性化の一助として『和で遊ぶ布の祭典』がしっかり根付いてくれれば本当に嬉しく思います。

展示内容は日本の花をテーマにしたキルト作品。広い空間に並んだ大作群は正に圧巻でした。日本の伝統文化を、日本の素材である和布や古布で表現した作品を見ていると、日本のキルトも独自のスタイルを確立したという思いを強くして、感心することしきりでした。
尚、画像は会場内が撮影禁止でしたので、全て赤坂プリンスホテルの公式サイトから引用しております。



2006年05月02日(Tue)▲ページの先頭へ
神谷紀雄 陶芸展を銀座和光ホールに見る
大型連休中の5月2日、今日も嬉しいことがありました。
今からちょうど20年前、当店で披露宴の引出物をご用意させて頂いたお客様が、ご夫妻にて来店。御結婚後、ドイツでの暮らしが長かったとのこと。なんとも久し振りのお越しとなりました。
「街には当時の面影がなくとも、おたくのお店は以前と変わらぬ雰囲気で良かった。」とおっしゃって頂き、お客様の有り難さがひとしお身に沁みた一時です。

連休初日の4月29日、日本工芸会正会員の陶芸家・神谷紀雄先生の個展を見に、銀座和光ホールに行きました。


神谷先生といえば、いまや千葉県陶芸界の第一人者とでもいうべき大家です。広いホールには自由闊達、大胆な筆使いで椿や梅、葡萄など身近な植物が描かれた壷や大皿、陶箱が並んでいます。


生意気に私見を申せば、神谷作品はその余白の活かし方に見事さがあるように思います。自分で絵を描いたときの経験から思うのですが、余白に“空虚”という幻影を見てしまうと、ついそれにおびえて懸命に描き込んでしまいがちです。要はどこで絵筆を置くか、何をもって完成とするかの問題なのですが、そこが作家としての力量とセンスを問われるところでもあるのでしょう。


アートとクラフト、美術と工芸という違いはあるかもしれませんが、自分の彫刻に即して言うと、モデルさんのポーズが終了すれば、そこでもう粘土はいじらないということを原則としています。もちろんモデルさんの写真をみて更に造り込むという方もいるのでしょうが、自分としてはライブの臨場感と緊張感が創作欲を何よりも啓発させてくれるように思います。


素人の見当はずれかもしれませんが、同じような意味で作曲家が譜面に休止符を書き込むという行為は、かなりの勇気と自制心を必要とするような気がします。
尚、作品の写真は銀座4丁目角の和光のウィンドウを撮らさせて頂きました。


   


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《プロフィール》 昭和32年東京赤坂に生まれる。都立九段高等学校卒業。昭和52年東京学芸大学教育学部入学。美術科を専攻。故橋本次郎先生に彫塑を、橋本堅太郎先生(前 日展理事長)に木彫と彫塑を師事。昭和58年大学院教育学研究科修士課程を修了する。中学校教諭一級普通免許及び高等学校教諭二級普通免許を取得。昭和57年4月より昭和59年3月まで東京学芸大学付属小金井小学校にて講師を勤める。平成3年、家業である有限会社クラフト小川の代表取締役に就任。現在に至る。現住所は東京都墨田区。家族構成は家内と長男と長女。愛読書は吉村 昭の小説と随筆(最近では“闇を裂く道”に感銘!)。それと吉田秀和の評論集。愛聴盤には4大B(バッハ・ベートーヴェン・ブラームス・ブルックナー)とヴェルディ・プッチーニのイタリアオペラが多い。好きな曲はフランクのヴァイオリンソナタ。
社団法人 日本彫刻会会員
社団法人 太平洋美術会会員

カレンダ
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