伊東正明─現代陶芸家列伝/湯河原

湯河原から伊東正明さんが訪れてくれました。一塊の土を探し、独自の釉薬に苦吟する・・・その作品に熱い息吹を感じる新進陶芸家です。

2006年06月29日(Thu)
伊東正明─現代陶芸家列伝/湯河原
■□■  伊東 正明 (いとう まさあき) ■□■
 
今朝の早い電車で、新進陶芸家の伊東正明さんが、湯河原から訪ねて来てくれました。
お話しを伺うにつれ、一塊の土を探し、独自の釉薬に苦吟する若い陶芸家が、正にここにいる!と確信されて、それはもう情報社会といわれる今では信じられないような気さえしました。
愚直なまでの誠実さをもって、一つの鉢に、皿に、心を砕くその姿は、清々しくも熱い息吹を感じさせてくれます。

伊東さんのこだわりは、まず自然の灰釉にあります。灰釉とは陶器に施す釉薬の一種類で、「はいゆう」または「かいゆう」と読みます。
灰釉は桃山時代から伝わる伝統的な釉薬で、焼き上がると素朴で力強い印象となり、草や木を焼いた「灰」を原料に使います。
高温で溶けると緑がかったガラス質の光沢が出るのが特徴です。
釉薬の原料に用いられる灰の種類は多く、昔から使われてきた灰には、柞灰(いすばい)、楢灰(ならばい)、欅灰(けやきばい)、樫灰(かしばい)、栗皮灰(くりかわばい)、松灰(まつばい)、竹皮灰(たけがわばい)、藁灰(わらばい)、籾灰(もみばい)、土灰(どばい)、そして樫、楢、櫟などの堅木の灰を原料とした紺屋灰(こんやばい)等があります。
伊東さんは試行錯誤を繰り返しながら,独特の風合いを出す草木灰釉を作り出しました。それは地元の名産であるミカンの剪定された葉や枝、松、ススキなどを燃やした灰を原料としています。一握りの灰を得るために焼く草や木は、驚くほどの量となります。こうして得た灰を水に溶かして不純物等を除去し、時間を掛けて何度も水を取り換えながら、灰のアクを取り除いてやっと使えるまでになるのです。

多種類の土をブレンドすることが多い現在にあって、土も伊賀の赤土系である奈良県月ヶ瀬村のものを単身で使用。窯は瓦斯窯。1240℃で30時間、還元焼成(空気をほとんど送り込まない焼き方)をします。

『暮らしの器』をコンセプトにした伊東さんの自然灰釉による器は、季節の植物の恵みを受けた自然な美しい釉が特徴です。
やきもの愛好家の方々にとっては“発見!”ともいえるような新作家の登場です。



 
伊東 正明(いとう まさあき) 陶 歴

1968年  生まれる
     神田外語大学卒業(スペイン語専攻)
     出版社に7年間勤務
1999年  出版社を退職
     湯河原にて鈴木秀男先生のもと2年間の修業
2004年  うつわ工房 青葉窯 独立築窯

灰釉刷毛目鉢 税込¥6,000/径21.5×高8cm
 
灰釉平碗 税込¥2,600/径15.5×高4cm
 
粉引筒湯呑 税込¥1,500/径8.5×高8.5cm

粉引カップ&ソーサー 税込¥3,300
カップ 径10×高7.5cm
ソーサー 径14.5×高3.5cm

灰釉片口 税込¥1,400/径9×高7cm

灰釉楕円鉢 税込¥3,000/25×16×高4.5cm

灰釉盃 税込¥1,500/径8.5×高3.5cm

刷毛目楕円皿 税込¥3,500/29.5×11.5×高2.5cm

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《プロフィール》 昭和32年東京赤坂に生まれる。都立九段高等学校卒業。昭和52年東京学芸大学教育学部入学。美術科を専攻。故橋本次郎先生に彫塑を、橋本堅太郎先生(現 日展理事長)に木彫と彫塑を師事。昭和58年大学院教育学研究科修士課程を修了する。中学校教諭一級普通免許及び高等学校教諭二級普通免許を取得。昭和57年4月より昭和59年3月まで東京学芸大学付属小金井小学校にて講師を勤める。平成3年、家業である有限会社クラフト小川の代表取締役に就任。現在に至る。現住所は東京都墨田区。家族構成は家内と長男(中3)長女(高2)。愛読書は吉村 昭の小説と随筆(最近では“闇を裂く道”に感銘!)。それと吉田秀和の評論集。愛聴盤には4大B(バッハ・ベートーヴェン・ブラームス・ブルックナー)とヴェルディ・プッチーニのイタリアオペラが多い。好きな曲はフランクのヴァイオリンソナタ。
社団法人 日本彫刻会会員
社団法人 太平洋美術会会員

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